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特別支援教育の実践事例を情報交換!AT-OKINAWA学習会に参加してきました。

こんにちは。マーケティング担当の徳嶺です。

昨年12月にも参加させていただいた、沖縄県の特別支援学校の先生が集う学習会「AT-OKINAWA(えーてぃーおきなわ)」が2月8日(土)に開催されました!今回は、AAC機器の活用とテレビ会議システムを使った交流学習について事例紹介がありました。教育支援計画アプリADOC-Sについてもすこしご説明させていただきました。

前回のAT-OKINAWAのレポートはこちら。
2013年12月12日レキブロ
沖縄県の特別支援学校の先生が集う学習会「AT-Okinawa」に参加してきました!

AT-OKINAWA

今回のAT-OKINAWAでは、実践事例が3例紹介されていました。簡単にですがレポートします。

スイッチを押すと生まれる人とのつながり

はじめの事例は、沖縄県のとある特別支援学校に通う男の子の事例です。

この男の子は脳性麻痺や知的障がいなどがあり、左手は麻痺の影響であまり動かすことができないそうです。言葉を発することはあまりできませんが、「パタパタ」といった言葉をかけるとにこっと笑って反応していることがわかるそうです。その一方、自分から自発的に表現することはほとんどありません。

男の子の保護者は、男の子が将来、自分の意思を表現して人生を歩めるように、自分の意思を伝える技術を習得してほしいと願っていたそうです。また、先生も男の子が外からの刺激に反応するだけでなく、自発的に表現できるようにと願っていました。そこで、将来iPadやその他の機器をコミュニケーションツールとして使えるようにと願い、家庭と学校、通園している施設で一貫し指導を行ったそうです。

iPadだけでなく音声を録音・再生できる機器ビックマックビックスイッチ、iPadタッチャーを使ったそうです。

・スイッチをおすと周りの人が反応してくれる
  ↓
・自分の意思が伝わる
このように、スイッチと自分の関係性を認識できるよう、スイッチを押したら先生が来るアクションを何度も何度も繰り返したそうです。

▽ ビックマック:パシフィックサプライ社
voca

この体験をくりかえすうちに、これまでは促さないとスイッチを触ろうとしなかった男の子が、自分からスイッチを触るようになったそうです。でもまだまだ、頻度は少なくコミュニケーションツールとして機器を使うのはまだまだ難易度が高く、活動のツールとして活用していきたいとのことでした。

目の見えない男の子がiPadを使うには?

次の実践事例で紹介されていたのは全盲の男の子事例です。

目が見えない分、視覚以外の刺激には敏感に反応をするのですが、呼びかけをやめると自分から発声したり表現することをしなくなるそうです。先生は、もっと興味関心を広げてほしい、自分の発声や動きで周囲の反応を引き出すことができると理解してほしいと願い、iPadを活用した試みをしました。

iPadのアプリにはたくさんの音遊びのアプリがあり、生徒の好みにあったゲームを見つけて遊ぶことができます。しかし男の子は目が見えないのでiPadに表示されているボタンがどこにあるのか認識できません。

そこで、先生はアプリのタップボタンの位置に合わせてダンボールをくりぬき、iPadに重ねることで、触って遊べるiPadを作りました。他にも、欲しいものが遠くにあったときに「探したい」「手を取りたい」と自発的に考えて手を伸ばしてほしいと考え、少しはなれた位置にスイッチを押すなど工夫をしたそうです。

iPadありきの支援ではなく、その子にとって最適な支援やツールはなにかを大切に考えながらあらゆる方法を試していました。

テレビ会議システムで、知らない人と交流してみよう

3つ目の事例は、テレビ会議システムの活用事例。この特別支援学校は肢体不自由の子が多い小中高の一貫校だそうで、子供たちは小さなときからずっと同じ同級生と接していて初めてあう人とコミュニケーションを取るのが苦手です。

そこで遠く離れた特別支援学校の先生にお願いし、テレビ会議システムを使って交流の時間をもったそう。初めてのうちは、交流会の進行表を先生が作成したそうなのですが、原稿を読んでばかりで交流にならなかったそうです。次回からは進行も全て生徒に任せるようにしたそうです。次第に生徒たちは自分の好きな歌をパフォーマンスしたり自然に交流できるようになったそう。

現在は時間を設定して交流会を実施しているそうですが、今後は常時接続にチャレンジしたり、直接会いにいくなどの試みをしたいといっていました。

こどもの将来を見据えた教育や支援をする

今回は、3つの実践事例の発表がありましたが、先生方が、児童・生徒の将来を見据えて届けたい教育を考え実行していました。また保護者や専門機関との連携も意識し、一連した教育ができるように工夫をしていました。

生徒の多くは自分の想いを言葉で表現することが難しく、手足を動かしたり反応の違いを見極めて何が最適なのかを考える必要があります。生徒のできること、できないことを考えながら、いろいろなアイディアを出して実践している先生の姿に感動しました。

AT-OKINAWAでは、いろいろな学校の先生や保護者があつまり情報交換をしたり、アドバイスしあっています。それも全て子供たちのため。そうした想いを私たちはITの力で少しでもサポートしていきたいと改めて感じました。

ADOC-S アンケートにご協力ください

話はかわりますが、現在、教育支援計画アプリADOC-Sのアンケートを実施しています。ADOC-Sは作業療法の研究グループADOC PROJECTと共同で作ったアプリですが、もっと学校現場にいる先生方の声を聞き、ブラッシュアップしていきたいと考えています。AT-OKINAWAでも少しお時間もらいアンケートのご案内をさせていただきました。

ぜひみなさまの声をお聞かせください!

<< 教育支援計画アプリ ADOC-Sアンケート >>
回答時間の目安:5分 回答期限:2014年2月21日(金)
対象:全国の教育関係者、作業療法士、理学療法士

ADOC-S

今後ともADOC-Sをよろしくお願いします!

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