Training Conference & Expo 1日目
2010年2月5日 金曜日 | その他
こんにちは, 下門です。
去る2月1日〜3日の3日間, San Diego 市にて開催された Training 2010 Conference & Expo に参加しました。この内容をアメリカ最西南端に位置する San Diego の写真を交えて報告いたしましょう。
当カンファレンス・エキスポは “Training” をテーマにしたイベントです。具体的には, コーチングや企業内研修などの人材育成から, 個人の対人関係スキルや最新の Web テクノロジーを活用した学習方法まで多岐に渡ります。当エキスポの展示ベンダー数は61社で, キーノートは7セッション, セミナーは134セッションと, Web や IT をテーマにしたイベントよりもカンファレンスが主体でした。
↓会場である San Diego Convention Center の前の通り
・エキスポ
e-learning の開発ベンダーやコンサルティング企業の展示が多く, 出版社やトレーニング施設を提供するリゾートホテルの展示もありました。
↓展示会場の様子
e-learning のソフトの中では, 3D を活用したり, 受講者がゲーム感覚で楽しく学習できるソフトが多く見受けられました。また, Flash を含む e-learning のコンテンツを Microsoft PowerPoint を使って簡単に作成できる便利なソフトもありました。
↓3D のアバターを利用した e-learning ソフト
・基調講演
キーノート:The Economics of Trust(信用の経済学)
スピーカー:Stephen M.R. Covey
スピーカーである Covey 氏曰く「信用(trust)」とは世間一般の通説に反して, 社交上の美徳というよりはむしろ経済の原動力で, これを築くことは時間に依存せず, 信用はお互いに学び合えるとのことでした。また, 人を信用することのリスクよりも信用しないリスクの方が高いと同氏は主張しました。
↓Stephen Covey 氏のプレゼンの様子
当キーノートの中で, 同氏は信用に関する2つの方程式を紹介しました(下記の写真を参照)。
↓信用が増すとスピードが増しコストが減少するという式
この逆説の例として911テロの混乱が挙げられます。テロの後, 各地で警備員が増員され, 空港では, 乗客1人に費やすセキュリティチェックの時間が長くなりました。これは人々への信用が減少したことに起因します。
↓信用が増すと活力と喜びが増すという式
人々への信用が高い組織では会話が多く生まれ, コミュニケーションが活発化し, 組織が活性化するとのことです。
さらに, 同氏はリーダーシップにおいても「信用」を構築する能力が重要であると言及しました。リーダーシップとは顧客, パートナー, 出資者, コミュニティ, 同僚などのステークホルダーと「信用」を築き成長させる、または修復する能力とのこと。
それでは, どうしたら人に信用されるのでしょうか?
信用の核となる4つの要素は, 整合性(integrity), 意図(intent), 能力(capabilities), 結果(results)であり, これをさらに具体的な行動に落とし込んだ13の行動を次に紹介します。
1. 物事をはっきりと言う(Talk Straight)
2. 敬意を示す(Demonstrate Respect)
3. 透明性を築く(Create Transparency)
4. 間違いを正す(Right Wrongs)
5. 忠誠を示す(Show Loyalty)
6. 実績をもたらす(Deliver Results)
7. 向上する(Get Better)
8. 現実に立ち向かう(Confront Reality)
9. 期待を明確にする(Clarify Expectations)
10. 責任を果たす(Practice Accountability)
11. 第一に聴く(Listen First)
12. 誓いを守る(Keep Commitments)
13. 信用を広げる(Extend Trust)
特に上記の(1), (3), (11), (12), (13)はリーダーに求められる資質とのことです。これらは一見すると簡潔で当たり前のことのようですが, いざ実践するとなるとそう簡単ではありません。私もこれらを意識した行動を心掛けたいと思います。