SAP Tech JAM Special Session 『SORACOMとSAP HANA Cloud Platformで実現する “世界中のヒトとモノをつなぎ、共鳴する社会” とは』レポート
2016年8月4日 木曜日 | BIZ & TECH
IoTのTはトッキーのT!ということで、2016/8/3(金)にグランドプリンスホテル新高輪にて開催されたSAP Tech JAM。SAP HANA Cloud Platformに関連する最先端の事例や技術トピックの共有がなされた本イベントの最後を締めくくるSORACOM×SAP×Lexuesによるスペシャルセッションの様子をレポートさせていただきます。
セッション前
左から、レキサス松本、SAP吉越さん、レキサス大西、SAP松館さん、ソラコム玉川さん。この日の為に作成した、レキサス山口懇親のSORACOM LAGER BEERの特別Tシャツ!SORACOM、SAP、Lexuesのロゴとメッセージが入った関係者のみのスペシャルアイテムなのです♡
会場の様子。200名ほどのかたが入れる特別セッション会場。今をトキめくSORACOM玉川さんと、SAPのクラウド基盤である“SAP HANA Cloud Platform”の祭典SAP Tech JAM〆のセッションという事もあり、大入りですね。
“世界中のヒトとモノをつなぎ、共鳴する社会”
いよいよセッション開始! 左から、SAP松館さん、ソラコム玉川さん、レキサス大西、モデレーターのSAP吉越さん、画面操作係(!?)のレキサス山口(レキサスのコーポレートサイトリニューアル等も担うDesign部隊のスーパーエース)というSAPのイベントっぽくないTシャツGパンワールドな面々。(タイトルスライドも背景デニム)
SAPのネクストイノベーションデベロップメント担当である吉越さんの自己紹介スライドでは、同日もAM3時すぎまで本セッションのデモンストレーション準備で奮闘したレキサスの山口、松本へのSpecial Thanks!!!(本当によく間に合わせたと思う…)
セッション参加されている方々の興味分野でも有る“Digital Transformation” “ IoT”そしてSAPが一番大切に育ててきたブランドである“HANA”のクラウド化について。企業のDigital Transformation、IoTビジネスに対して、SAP HANA Cloud Platformはとても有効ですからね。贔屓目にみても相当素晴らしいクラウドプラットフォームだと思います。触らないと損!!(無償でeLearningも提供されています)
ソラコム玉川さんからは、IoT通信の課題と、ヒトではなくモノに特化したモバイル通信のニーズからソラコムが生まれた背景を説明。
この図をみるたび、日本がかつて“ユビキタス”というキーワードにおいて奮闘していた時期を思い出し目から昆布茶が出る程度には私も年をとったのか…。セキュアな“モノ”の為のモバイル通信。そりゃ皆さんSORACOMつかいますよね。日本で最も成功している“オトナのスタートアップ”。勝つべくして勝ってる。素敵。
SORACOM事例2:十勝バス様
北海道の十勝バスでは、GPS×SORACOMのSIMの組み合わせでリアルタイムに位置情報を利用者が運行管理アプリでみれるように。
本当に大きいエリアですし豪雪地帯でもありますから遅延あたりまえなんですよね。これ沖縄にもガンガン導入してほしいなぁ…(沖縄のバスは日本一、時間にルーズなのです。。。)“遅れる”事に対する課題解決は“適切な到着情報の共有”で解決できるという、良いイノベーション事例ですね。(SORACOM×位置情報な事例はコチラ)
SORACOM事例3:ファームノート様
北海道のファームノート様では、牛の動態管理に今話題のLoRaを利活用。牧場(約2km)をしっかりカバー。LoRaの特性を活かしたうまい使い方ですね。
そして、レキサスでプロダクト/UX全般を取り仕切るプロダクトマネージャー大西のターン。43歳ながら、なんと沖縄のテニス大会で35歳以上の部で春夏連覇を成し遂げたガチのテニスプレイヤーでもあります。子供の頃MSXでプログラミングに出逢ってしまったところからスタートしてますね。私が一緒に仕事してきたメンバーの中でも本当に屈指のストイックさをもった鉄人です。
開発環境としての沖縄について。本当、オンオフのメリハリつけやすくて効率は都会の比較にならないと思います。ストレスもリセットできますしね。
レキサスのコーポレートスローガンである『With Heartful Technology』について。身近な人がより豊かになるサービスこそが私達の目指すものであり、Technology企業としてのレキサスが目指す世界。もっと蛇口をひねるようにリアル世界と融け合うTechnologyにしていくのが、私達の使命。
レキサスの代表的なプロダクト/サービス郡の紹介。
Windowsタブレットで動く動物病院向けクラウド経営管理システム『Halope-H』は、はやくも導入100病院を突破。
ウエディング向けアルバム作成サービス『PhotoBridge』は年に約30,000組が利活用するキラーサービス。
そう、様々なクラウドインテグレーション案件で培ってきたノウハウがあるからこそ、そして、徹底した顧客志向性があるからこそ産み出し育ててきたサービス。
そしペット向けIoTデバイス第一弾Halope iz(アイズ)の紹介。
ペット向けIoTデバイス→スマホアプリ→クラウド→獣医療クラウドとつながる世界。ヒトとペットはもっとシアワセなカンケイになれる。
そして、日本初のHANA Cloud Platformの勉強会コミュニティを沖縄で立ち上げ、率先してリードしていたりもします。(毎回結構濃密なハンズオン有り!!県外からのゲストもwelcomeです)
先日開催されたSORACOM Conference 2016“Discovery”にて 発表させていただいた日本で6社目、勿論沖縄では初となるSORACOM SPS認定インテグレーションパートナーになった話&沖縄ファミリーマート様との、コンビニ業界としては日本初となるLoRaWAN実証実験のお話。
こうした速度でイノベーションを実現するため、Innovation、Solutions、Productsの三要素で捉え推進しているレキサスの社内体制。特に、Lexues Innovation Team(LIT)では商品企画・実現/パートナーシップ/UX設計/R&D(機械学習)を中心に推進。ここだけで9名スペシャリストがいるのは差別化された強みです。
日本初のIoT開発専用の合宿プログラム“F.E.E.L.(フィール)”の紹介。従来1〜2ヶ月かかるPoC/企画検討フェーズが、最高の集中空間である“OKINAWA”でスペシャリストを交えた合宿型で1週間で完結できます。PoC以降前に進まないプロジェクトが多数散見される日本のIoTシーン。その問題解決の切り札となるサービスです。
“共創(Co-Creation)”、“デザイン思考(Design Thinking)”、“非日常(OKINAWA)”から、世界をもっとより良くするサービスを生み出し続ける。それが、私達レキサス。
LiveDemo!!ビアガールが壇上に!?スタジアムとファンをつなぐ “リアルタイムファンエンゲージメント”
いよいよ本題。
今話題のビアガールのミカさん!(謎
ではなくって…
ジャーン。野球やサッカー、様々なスタジアム体験の導入にInnovationを提供する“リアルタイムファンエンゲージメント”の登場です。
左上が、来場者がビアガール/銘柄を指名するスマホ画面、左下がビアガールが腕に装着するAppleWatchの画面、右がスタジアム管理画面。スタジアム全体の状況、トイレの混雑状況、レストランの混雑度/売上、ビアガールの売上/混雑度/在庫などが一目瞭然。これをSAPHANA / HANA Cloud PlatformとSORACOMで実現します。デザイン/UX/開発はレキサス。
左上のスマホアプリで女の子を指名すると…(ビアガール厳選中の玉川さん)
左下のAppleWatchに顧客名とエリアが表示され、ビアガールはそこに向かいます。画面中央左側、実際に壇上に向かってカワイイ(ココ重要)ビアガールが移動中♡
「けんちゃーん!!」(ビアガール)
「はーい!(照れながら)」(SORACOM玉川さん)
超貴重な世界のSORACOM 玉川憲が“けんちゃん”と呼ばれる瞬間
無事、壇上の玉川さんのところにビールが届きました!\(^o^)/
ここまでで“リアルタイムファンエンゲージメント”の本邦初公開となるデモの前半終了。名付けて“リアルタイム フルスケール IoT & クラウドアーキテクチャ”(ドヤッ
拡大図。今回の構成としては、AWS上に、VPC組んでそこにSAP S/4 HANA(ERP)と、DB/analytics/実行基盤である SAP HANAをX1で動かし、Amazon Kinesis、SORACOM Funnel、Canal、Beamを活用。
ソラコム玉川さん曰く、「120点のアーキテクチャ」という最高のお褒めの言葉をいただきました\(^o^)/
SAPのリアルタイム分析基盤と、ソラコムのIoTプラットフォームを活用することで、販売員/店舗/モノのすべてを顧客体験に反映し、ファンとの結びつき(エンゲージメント)を高めることができるサービスフレームワークとなっているのです。
SAP HANA Cloud Platformでは、クラウドでの必要なエンタープライズ機能が“すべて”提供されているのが特徴で、インテグレーションはあたりまえとして、コラボレーション、ユーザー体験、IoT、アナリティクス、セキュリティ、モバイル、データストレージ、ビジネス・サービス、開発/運用までがワンストップ実現出来てしまうので、それぞれを自前で様々なクラウドつかってやるより、エンタープライズ領域ではi/fが無駄に増えなくなる分、サービス提供者はイノベーションデザインに集中できるのは大きなメリット。
そして、25業界のお客様とSAPはビジネスしてきており、それぞれの業界のベストプラクティスを知っている。例えば航空業界でのベストプラクティスをスポーツに持ち込むと、そこでイノベーションが起きる。
これを「インダストリースワッピング」として展開。
この考え方は極めて合理的かつ短期的に効果をあげやすいですよね。自分たちのいる業界/産業での常識は大抵他の誰かでも浮かぶアイディアの範疇にしばられていますが、全く異なる他の業界の常識の中には沢山の成功の種がつまっている。世界中の“ヒト/モノ/カネ”まさにERPの王者SAPならではの考え方。
すさまじい荷捌き量を誇るドイツ ハンブルク港湾局のSmartPort Logisticsの事例。
<ハンブルグ港が抱えていた課題と解決策>
http://www.sapjp.com/blog/archives/12907
“ハンブルグ港には大きく以下2つの特徴があります。
ハンブルグ港の2014年現在の取扱量は900万TEUだが、2025年にはこれが現在の3倍の2,500万TEUまで増えると予測されている。
ハンブルク港はハンブルク市(ドイツの中心地)に位置するため地理的にも拡張ができない。つまりハンブルグ港にとっては、 地理的制約の中で処理効率を少なくとも確実に3倍に引き上げなければならないという課題を抱えていました。“
“こうした解決必須の課題に対して、ハンブルグ港湾にかかわる多くの企業(運送会社、鉄道、海運、内航、駐車場、交通局など)をテレマティクスでつなぎ、物流の効率化を図った。ハンブルク港湾、SAPおよびTシステムズ(ドイツテレコム子会社)と共同で、スマート・ポート・ロジスティクスと名付けた施策に着手したという運びです。“
One more thing… 次世代UI“音声”がやってきた!(デモ)
と、いよいよセッションクローズかな?とおもいきや、今話題の次世代UI、“Voice(声)”についてのデモが!?
Amazon echo、北米でも超ハイパー売れてますよね。はやく日本でも販売開始してほしいっ!!…と、そんな私の個人的な願望はおいておいて…
!?
“AI 早乙女花子 降臨”
おもむろにレキサス大西がマイク付きBluetoothイヤフォンを装着。
大西「ビールの在庫予想おしえて」
音声で依頼すると、画面には在庫予想詳細が!!!
レキサス大西「銘柄別にみせて」
さらにこまかく在庫予想が展開されます。
レキサス大西「ビアガール毎の売上」
画面には、ビアガール毎の平均売上順位が表示!
大西「レナちゃんの事がもっとしりたい」
私もレナちゃんがいい…ではなく、レナちゃんの詳細売上データが表示。これは使いやすい!(実はここまで作りこまれてたのシラナカッタ…w)
そして、ここでデモ終了。身内ながらなんて楽しいデモなんだ!と笑いながら見てしまいました(笑)
クロージング~IoTも使い方次第。~
セッション終了後、壇上でみんなでビールをもって記念撮影。
SAP吉越さんからのお誘いから数ヶ月、なんとか本番までに間に合わせしっかり素晴らしいデモが出来たと思います。本当に松本さんと山口くんにはアタマがあがらない。素晴らしいシゴトをありがとう!!
その後の懇親会の会場では、このサービスフレームワークのデモ(スマホでビアガールを呼ぶとビアガールがきてくれる)を体験いただけるよう準備したのですが、ひっきりなしに呼ばれっぱなしの大反響でした。
IoTというと、モノづくり企業の向上等の大きなアプローチに目が行きがちですけど、本質的には“わたしたちのみのまわりにある様々なモノ”が“インターネットにつながる”世界ですから、実はテクノロジーを意識せずに皆さんが使いこなしている状況にすること、つまりはバックエンドで私達の心理的精神的物質的なストレスを減らすような使われ方が本来の姿であるといえます。
これからも、SORACOMさん、SAPさん、レキサス、そしてこれから出逢い続ける皆さんとご一緒に、“世界中のヒトとモノをつなぎ、共鳴する社会”を実現してまいります。