LEXUES BLOG

レキサスブログ

ドローンの戦い(GoPro VS DJI)

今月よりLexuesブログに投稿させていただくことになりました、シリコンバレー在住24年目の南です。

ラジコンヘリコプターの思い出

僕が小学校の頃、一番欲しかったものはラジコンでしたが、その最高峰でいつかは操縦してみたいと思っていたのがラジコンヘリコプター。操縦技術が難しいだけでなく、高価な代物で夢の実現には社会人になるまで待たねばなりませんでした。器用な方と言われてきましたが、ラジコンヘリコプターは思った以上に操縦が難しくホバリング(空中に浮き上がり、同じ場所で同じ姿勢を維持する飛ばし方)ができるまでに河原沿いの空き地通いの週末が何度続いたことでしょう。その間に墜落や、斜めに浮かび上がってローターが地面と接触して機体が壊れてしまったのは4、5回ではありません。

そしてラジコンヘリコプターでホバリングできるまでに3ヶ月。なんとか飛ばせて、戻ってこれるようになるまでには半年が経っていました。

衝撃的だったドローンの出現

それから何十年、知人が購入したドローンを操縦する機会がありました。

難しかった姿勢制御にはいくつものセンサーが使われ、自分の位置はGPSの信号を受信してドローン自体が把握。離陸した瞬間から全く乱れることなく、同じ位置をキープ、ジョイスティックの移動量だけに比例してドローンが空中を移動。ジョイスティックを離すと、ドローンはその位置でホバリングをし続ける。ラジコンヘリを飛ばす時に苦労した姿勢制御に対するスキルなどは微塵も必要がない。飛行したいルートが決まっているならスマホのアプリ側で航路や高度を設定して、そのルートをドローンが飛んで帰ってきてくれる。バッテリーが無くなる、コントローラーの電波が届かなくなる、そんな事態が近づくとドローン自身の判断で離陸したポイントに勝手に戻ってくることができる。空には障害物が少ないとはいえ、まさに自動車業界で言われる自動運転のレベル3~4をすでに実現しているのです。しかも4K品質の動画撮影ができるカメラまで内蔵し値段は$1000程度で。まさに衝撃的でした。

ついにGoProからドローンが出た!ものの・・・

そしてデジカメ全盛の世界にアクションカメラという新しいカテゴリーを開拓し、2年前に株式上場を果たしたGoProがついにドローンを発表しました。GoPro Karmaと言われるドローンはポータブルカメラメーカーが作った初めてのドローンということばかりでなく、そのデザインやポータビリティ、そして同時に発表された新型のアクションカメラHero5を同包し、Karmaに取り付けて空撮を行うことも、また取り外してHero5単体でも使うことができます。しかもカメラを安定させて撮影することができるスタビライザー付きのハンドルまで内蔵しているのです。

compatible-with-main-image
GoPro Karma(GoProの公式サイトより)

この発表は、GoProマニアの間でここ1年噂されていた機能に対する期待をすべて上回るもので、発表会でも” More than drone”のキャッチフレーズで紹介されました。アクションカメラマーケットでは複数の新しいライバルの出現やコスト競争もあり低迷していたGoProの株価でしたが、Karmaの発表前から株価が上がり始め、Karmaの発表に伴い大きく上昇するはずでした。

DJIの最新ドローンはペットボトルサイズ!?

しかしGoProの役員や株式保有者の期待は大きく裏切られた結果になってしまいました。急速に拡大しているDroneマーケットの中でも大きなマーケットシェアを持つDJI ( 2015年1500億ドルのアメリカドローンマーケットの44%シェア)が、小型軽量で高性能のドローンMavicをKarmaの発表からわずか1週間後に発表したのです。Mavic発表当日にはGoProの株価は一時6%以上急落、その後持ち直したものの現在でも横ばいを続けています。

Karmaの発表では今までのドローンにはないコンパクトなサイズがハイライトされ、折りたためばバックパックに入れて移動が可能と発表されました。Mavicはそれを下回るサイズになりプラスチックボトルサイズサイズだと言います。DJI Mavicは4Kのカメラを内蔵し、付属のコントローラを使えば4.3Mileの距離まで遠隔操作が可能で、連続飛行時間は27分とするのに対し、Karmaは1.86Mileまでの遠隔操作で18分の飛行時間。MavicにはFollow meモードと呼ばれるカメラで撮影されている目標物を追いかけて自動飛行する機能や、Obstacle Avoidance systemという飛行ルート中の障害物を避けるシステムがあるのですが、これらは4Kカメラに加えて4つの小型カメラと2つの超音波センサーなどを内蔵しているからこそできる機能です。


DJI Marvic(DJIの公式サイトより)

決戦は年末商戦へ!!

カタログ上の発表値では圧倒的にDJI Mavicが有利に見えますが、実際に発売されて人気になるのはどちらでしょう。ともに発売まではあと数週間待たねばなりませんが、これから年末のギフト商戦でどんな結果が出るのか今から楽しみです。
(どちらかのDroneをクリスマスプレゼントにしちゃいたい自分が怖い・・・)

キーワード:     

この記事のライター

みなさまからのご連絡をお待ちしております。

CONTACT US