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沖縄県の特別支援学校の先生が集う学習会「AT-Okinawa」に参加してきました!

こんにちは、マーケティング担当の徳嶺です。

先日、沖縄県内の特別支援学校の先生たちが集まる学習会「AT-Okinawa(エーティー・オキナワ)」に参加してきました。

AT-Okinawaとは?

AT-Okinawaは、沖縄県内の特別支援教育の先生方を中心とした学習会です。月に1回のペースで学習会を行ってICT機器の実践事例などを紹介し情報交換を行っています。
9月に行われた学習会では、教育支援計画アプリADOC-Sの共同開発者である作業療法士の仲間知穂先生がプレゼンテーションさせていただき、教育支援計画の重要性やADOC-Sの利用方法などをご説明させていただきました。

ATOkinawa

第5回目の今回は、特別ゲストとして、障がいのある子どもたちでも操作可能な機器活用の事例を紹介する「マジカルトイボックス」という活動を行っている国立特別支援教育総合研究所金森 克浩先生がいらっしゃっていました。

盲学校でのICT活用

まず、最初の発表は、盲学校での事例紹介でした。
今年9月に、Yahoo!Japanで発表された「さわれる検索」をみなさん、ご存知ですか?検索マシンに単語を入力すると、3Dプリンタで印刷されて出てくるというもの。「さわれる検索」は現在、筑波大学に寄贈され、盲学校への貸し出しを行っているそうです。

盲学校では、模型を使ったりして、時間をかけて子どもたちが”分かる”ようになることを大切にしているそうです。しかし、模型を触ったとしてもその動物がどうやって海の中で生活しているのか、どのような生活をしているのかまではわかりません。だから、実際に植物を育てて成長の過程を触りながら知るというように「核になる体験」を通じて分かるようにしているそうです。最近では、分かることの助けになる様々なツールが出てきているので、その人の見え方に合わせて使っているそうです。

・Vacuum Former:立体コピー機。教材で使う模型を作れる。
レーズライター:書くとその線が浮き出る器具。作図等に使う。
カラートーク:色を検知し音声で読み上げる器具。

器具を活用するとなると、購入するためにかなりのお金がかかる場合もあるそうです。しかし最近ではスマートフォンアプリもいろいろな種類が出ていて、低価格で使えるので活用しているそうです。このようなアプリが紹介されていました。

明るく大きくiOS/Android
・ウルトラ拡大鏡 (iOS)
・目に優しいルーペ (iOS)
・色カメラ (iOS)
Tap Tap See (iOS)
・Voice of DAISY (iOS)

視覚障がいのある人は情報を取り方も違っているそうです。目が見える場合は、目に入るいろいろな情報を一気に取得できるので全体感から情報をとりますが、視覚障がいがある場合には聞こえてくる順番で情報を取るため、情報が積み上げられることで理解しているそうです。一旦全ての情報を頭に入れて、その情報を取捨選択しているような感じでそのスピードもかなり早く処理できるようになれているそうです。

このように視覚障がいのある人、独特の捉え方や思考方法があるのでそのことも理解しておくことが大切になるそうです。

続いて、国立特別支援教育総合研究所金森克浩先生の講演です。

ICTを活用した県外の取り組みについて

金森先生はマジカルトイボックスという活動を通じて、特別支援教育でICTの普及に携わっています。また、金森先生のブログでは、特別支援教育に関する情報がたくさん紹介されていて、私も購読させていただいています。

特別支援というと”特別”な感じがするけれど、世の中にあるモノは人を支援するための技術であるとおっしゃっていました。義肢や補聴器はもちろんですが、身近にあるコップやiPhoneだって液体を飲みやすくしたり、情報をやりとりしたりするために使っている技術です。そう考えると人間は、いろいろなものに依存したり活用しながら生きていることがわかります。

また、最近では観光地での看板にさまざまな言語で注意書きがされていたり、時にはイラストで注意喚起がされているのをよく目にします。その人が置かれている状況に応じてコミュニケーションの難易度が変わることを示しています。言葉の違いや文字認識に違いがあっても情報を理解できるように工夫しているのです。状況を理解したうえで、どんな支援が必要なのかを考えることが大切になるとのことでした。

話は変わりますが、「ディスレクシア」という言葉を聞いたことはありますか?ディスレクシアは、俳優のトム・クルーズさんが告白したことで話題にもなりましたが、文字を読み書きをすることが難しい学習障がいの一つです。ディスレクシアについての理解を深める活動をしている井上智さんの事例を紹介していたいのですが、自身がディスレクシアであると知らなかったときは文字を読む、書くという当たり前のことができずに、とても苦しい思いをしていたそうです。しかし最近では、スマートフォンの音声認識機能で、声を文字にすることができるようになり、世界が変わったとおっしゃっていました。

最後に、ICT活用するときのポイントとしてこの3つをあげていました。
・ねらいを明確にすること。
・指導は柔軟に行うこと。
・機材はシンプルに使うこと。

今週末12月13日(金)〜15(日)に京都で行われる、特別支援教育の学会「ATACカンファレンス」に出席されるそうです。ソフトやツールだけではなく、その操作性についても紹介する予定とのことでした。ATACカンファレンスには、ADOC-Sもテーブルセッションで出席する予定です。ATACカンファレンスにお越しの方は、ぜひテーブルセッションへお越し下さい。

AT-Okinawaへの参加は2回目ですが、毎回勉強させていただいてとてもありがたいです。ITは人を支援するためのテクノロジーでありツールです。そのことを再認識して、IT企業としてのミッションを実現できるようにこれからもがんばりたいと思います!

この記事のライター

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