「クラウドチャンプルー2014春」へ参加してきました。
こんにちは、与儀です。
先日の下門さんの告知記事にもありましたが、「クラウドチャンプルー2014春」へ参加してきました。(実行委員として裏方のお手伝いもさせていただきましたが、平日にもかかわらず約100名の来場者で賑わっていました。)
セッション1 クラウドが地方 IT 事業者の「強力なビジネスサポーター」となるには?
小島英揮さん [アマゾンデータサービスジャパン株式会社]
自家発電機から電力会社へと変革したビジネスモデルの歴史的な事例を参考にして、いま起こっている(オンプレミス)サーバーからクラウドへの変革をわかりやすく説明されていました。
小島さんのお言葉を借りると、クラウドコンピューティングとは、
あらかじめ購入しておかなくても
必要な時に
必要なだけ
サーバー・ストレージ・ネットワークなどのITリソースをサービスとして利用可能なもの。
高知県出身の小島さんですが、地方におけるクラウドは高速道路と同じで、これまであった地理的な壁が取り払われて、都市部または外国との競争に晒されるので、「クラウドをどう見るか?どう使うか? で結果が大きく変わる」というお話しにはとても説得力がありました。
そして高速道路で得られた教訓として、
使う側にまわる
早くはじめる
新しいビジネスモデルを取り込む、考える
ことが必要であると説きます。今まさに競争に晒されている私たち地方のIT事業者が考えるべき重要なキーワードです。
現在パブリッククラウドのデファクトスタンダードとして突っ走るAWSですが、クラウド基盤を構築する技術や大規模なキャパシティもさることながら、それらをサービスとして提供するオペレーション技術が、あまり気づかれることはないですが実はAWSの一番凄いところである、ということです。「サービスとして提供すること」、それが最も重要なんですね。
セッション2 関西におけるコミュニティファーストとイノベーションの現状
比企宏之さん [イノベーションエッグ代表][アイレット株式会社]
大阪でさまざまなコミュニティを運営・活動されている比企さん。本職のお仕事がデスマーチになればなるほど気分転換としてコミュニティ活動が活発になった、という凄い人です。
上記のスライドから比企さんの考える、コミュニティへ参加(講師・運営)するメリットについて抜粋すると、
業界情報がフィルター無しに入ってくる
発表者や運営の人に仕事の話が寄ってくる
技術レベルが高まる機会が多い(社内だけでは閉塞塞感・限界がある技術をオープンにする事により逆に技術が集まってくる)
最強のチームを作れる
ビジネスの速度が加速する
リクルート活動(個人・組織)
自分(組織)の客観的な実力がわかる
人脈が増える
クラウド時代に必要なたくさんのIT知識を学ぶ、教育の場としてもコミュニティが果たす役割が大きいということです。まさにこのクラウドチャンプルーも、クラウドに対する知識や技術、情報やビジネスモデル的な考え方を補完して発展させる場になると思います。
そして、「綺麗ごとは抜きにして、自分にとってメリットのあるコミュニティに参加すればよいのではないか?」というお言葉がとても心に残りました。
セッション3 「東急ハンズを支える技術」はAWSか?
長谷川秀樹さん [ハンズラボ株式会社]
東急ハンズで実際に使われている小売業に特化したITソリューションを提供する企業として生まれたハンズラボの社長、長谷川さんです。長谷川さん自身、SIerとして働いてきた中で、上司や役員へクラウドへのシステム移行を提案する際のコツや裏話を関西弁で面白おかしくお話されていました。
オムニチャネルと呼ばれる、ECシステムと店舗システムを完全に統合化させる動きが進んでおり、そこではクラウドが盛んに利用がされているようです。
長谷川さんのお話で印象的だった1つとして、ウェブ系エンジニアとエンタープライズ系エンジニアのある種ものの考え方の違いについてです。前者は新しい技術に対して積極的に自分で習得または利用しようとするが、後者は習得が難しい、または専門外として棲み分けてしまう傾向にあるとのこと。
ウェブ系・エンタープライズ系それぞれで必要な技術や要件は異なりますが、新しい技術分野に対するエンジニアとしての姿勢がどうあるべきか考えさせられました。
パネルディスカッション
ここでしか聞けないぶっちゃけた話を、ということで質疑応答では会場の参加者も交えてさまざまな議論が飛び交いました。
ある質問で、「AWSのライバルはどこになると考えていますか?」という小島さんへの質問に対して、「オンプレミスがライバルです。オンプレ脳をどう変えるかどうかが課題です。」と回答していたのが、さすが小島さん!というところでした。
まとめ
クラウドチャンプルーを終えてみて、私もいろいろと考えさせられました。「クラウド」は単なるバズワードではなく、日本でも確実に浸透してきています。ですが、その実体を完全に理解できている人はいないはずです。
クラウドが今後どう発展していくのか、どう世の中を変えていくのか、予想をすることができません。予想ができないからこそ面白い。予想ができない未来ならば、自分でつくってしまえばいい、それが未来を予測する一番の近道ですね。
なお、今回は、「クラウドチャンプルー2014春」なので、夏や秋も開催される予定です。
今回ご参加できなかった皆さん、ぜひ次回は参加して、沖縄のクラウド界隈を盛り上げていきましょう!!
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