麻痺やケガをした手を日常生活で使うためのアプリ「ADOC-H」をリリースしました
2015年6月18日 木曜日 | BIZ & TECH
みなさまこんにちは、安田です。このたびレキサスでは”麻痺やケガをした手を日常生活で使うためのアプリ”「ADOC-H」をリリースしました。こちらは、ADOCやADOC-S、みんなのリハプランと同じく、全国の作業療法士さんから成るNPO法人「ADOC project」さんとの共同開発です。
今回の開発背景をご説明しますと、いま日本国内に脳卒中の患者さんは150万人いるそうなんですね。加えて年間25〜30万人増加していると言われていますが、そのうち55〜75%に麻痺が生じ、また、その方々の多くに上肢麻痺が残存する状況なのだそうです。
また、そうして手を使わないことが習慣化してしまった患者さんに対しては、単に「手が動く」ようになるだけでなく「日常生活で手を使うこと」を促すことが重要であることが近年の研究でわかってきているそうです。確かに、手が動くことを最終目標にされている方はいらっしゃらないでしょう。やはり手を使って自らの生活を豊かにしていくことが最終目標だと思います。なのですが、これまでは、患者さんがその目的を十分に理解できていないため継続しにくかったり、そもそも患者さん自身が目標設定に参加できない、というような課題がありました。そのような問題を解決するために生まれたアプリがADOC-H、というわけです。
ADOC-Hは「日常生活で手を使うこと」をどのように促すのか、具体的には以下のようになります。
↑↑↑ADOC-Hには全部で130枚の日常生活で手を使う場面のイラストが内蔵されていて、これらのイラストを見ながら目標とする活動を患者さんと一緒に決めます。
↑↑↑選んだ活動について、手の使用方法や使う頻度、使う時間帯などを具体的に入力していきます。
↑↑↑目標設定できたら紙に印刷して患者さんに手渡します。患者さんはこの紙に書かれた内容を見ながら、日常生活で手を使うようにします。
↑↑↑実際に生活で使うことができた活動をタップすると「達成済み」に→患者さんのやる気を引き出し、継続性の促進に繋がります。
。。。という流れになります。また、実はADOC-HはApple Watchにもさっそく対応していまして、ADOC-Hで選択した任意の患者のスケジュールをApple Watchで確認することができるようになっています↓↓↓
なお、今回のADOC-Hの開発に関しては、ADOC projectの友利先生のブログにもその背景などが詳しく書かれていますので、ぜひ併せてご覧いただければと思います。
加えて、ADOC-Hは明日6月19日(金)から開催される「第49回作業療法学会」でも発表される予定です。同学会では過去にもADOCシリーズを発表させていただき、都度大きな反響を呼んでいますので、今回のADOC-Hの発表もとても楽しみにしています。