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レキサスブログ

写真でお客さまの人生をサポートする「バリューブリッジ」、急速なビジネス拡大に備えるためにAWS化を推進中

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こんにちは、安田です。

このたび、株式会社バリューブリッジ様の主力サービス「フォトブリッジ」におけるAmazon S3(※1)化の推進について、同社の岡本副社長様にWeb会議のスタイルでインタビューさせて頂く機会を頂戴しました。

バリューブリッジ様はレキサスとのパートナーシップの基、2015年からフォトブリッジを提供しています。フォトブリッジは結婚式のアルバムをご購入のカップルが、製本前にデザイナーのレイアウトをチェックし、お気に入りの写真に変更できる、ブライダル業界向けのフォトアルバム校正確認クラウドサービス。サービス開始からまだ2年にも満たないのですが、すでに数多くのブライダル企業、撮影会社様にご利用頂いています。

インタビューには今回Amazon S3やLambada(※2)の導入を担当したレキサスのメンバーも参加し、お客さまと一緒にプロジェクトを振り返るというとても良い機会となりましたので、以下にインタビューの内容をご紹介したいと思います。

※1 S3:Amazon社が提供するオンラインストレージサービス。
※2 Lambda:AWS(Amazon Web Services)上でアプリケーションを自動実行するためのプラットフォーム。

【対談者紹介】
岡本さま:株式会社バリューブリッジ 副社長
前田:株式会社レキサス フォトブリッジチーム プロジェクトマネージャー
与儀:株式会社レキサス クラウドインテグレーションチーム
            AWS認定ソリューションアーキテクト
安慶名:株式会社レキサス フォトブリッジチーム 
             エンジニア兼海外開発チームリーダー
河村:株式会社レキサス 東京オフィス マネージャー
安田:株式会社レキサス コーポレートデザイン部 広報担当

Amazon S3化提案の背景と目的について

■安田
「フォトブリッジ」のAmazon S3(以下S3)化はレキサスからバリューブリッジさんにから提案したのでしょうか?

■前田
はい。フォトブリッジはもともとはオンプレミスデータセンターの物理サーバで動かしていたのですが 、ユーザーさまが一気に増える中で扱うデータ量も膨大になり、結果としてストレージやネットワークに負荷がかかってサービスが不安定になることもあったため、急遽AWSに移行しようという案が出ました。

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そのときはAWSに1秒でも早く移行して稼働させることが最優先事項であったため、システムアーキテクチャを変更する時間がなく、既存アーキテクチャをそのまま踏襲できる AWS Storage Gateway(以下Storage Gateway)というサービスの利用を決定しました。しかし実際にStorage Gateway で運用を開始すると、運用コストがかかるという問題だけでなく、不安定な状況もしばしば発生するなど、課題もいろいろと見えてきました。

そこで、今後さらにデータが増えていくことを想定して、Storage Gatewayよりも負荷に強く、拡張性もあり、コストが下がることも分かっていたS3の利用を提案させて頂きました。

■岡本
S3の技術的なことには詳しくはありませんが、将来のさらなるデータ増に備えることには、しっかり取り組む必要があると強く認識していましたので、ちょうどいいタイミングで提案してもらったと思います。

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■与儀
コスト削減という目的もありましたが、それ以上に、サービスの今後の拡張性を考えるとS3化は必要不可欠でした。

■前田
それまで使っていたStorage Gatewayは1ボリュームあたり32テラバイトが上限だったのですが、その95%〜98%の使用領域をずっと使っている状態で、さらに大手のお客さまが増えるという予定もあり、状況的には限界に達していました。そこで、まずは逼迫している画像まわりだけをStorage GatewayからS3に移行しました。今月末には画像以外の部分のS3化を予定しています。

■与儀
Storage Gatewayは正確には32テラバイト以上も組み合わせて使えるんですが、構成変更が必要なことや、単一障害点が存在するという問題は変わらなかったので、それならいっそのこと S3 化へ踏み切ったほうが良いと考えました。S3化によって、Storage Gatewayの一番の問題点である単一障害点を無くすことができるのです。

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バリューブリッジ社から見たS3化の意義は?

■岡本
フォトブリッジをご利用いただくクライアントさん、カップルの数が増えているだけでなく、1組1組がアップする画像データの枚数も大幅に増えています。

サービス開始当初は、リゾート挙式やスタジオ撮影、ロケフォトなど、一般的に撮影する枚数が少ないお客様が多かったのですが、今年は、ホテルやゲストハウスといった一般の結婚式場との契約が増えています。こうした結婚式では、1組が700枚、800枚、多いケースでは1000枚以上の撮影を行うので、当然、サーバの負荷が増しますが、組数が増えて、1組の利用量も増えるので、サーバの負荷は掛け算で加速しますよね。

カップルが利用時にサクサク使えるというのももちろんですが、その前に、カメラマンさんが一度に何百枚もの撮影画像をストレスなくフォトブリッジにアップロードできるようにする必要がある。彼らは、今までも大手のアルバムメーカーが提供する入稿用のシステムや、ファイル便、FTPなど様々なツールを使って、撮影画像のやり取りをしてきているので、フォトブリッジの使用感がそれらに劣っては困るわけです。

そこはどうしても負けられない。それを支えるバックボーンとして、今回のS3化による機能拡張はありがたかったです。

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ベトナムメンバーとの共同推進について

■河村
Storage GatewayからS3への変更で苦労したことはありますか?

■安慶名
技術的な部分では難易度が高かったわけではありません。基本的な考え方としては、Storage Gatewayにファイルを作成し、それをS3に持って行ってS3からダウンロードするようにする、という実装だったのですが、ファイルを作るというメインの部分はすでにできていたので。

ただ、ベトナムのメンバー2名も含めた形でのチームでロスなく開発を進める部分が私には難しく、前田さんにも連日手伝ってもらいました。

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■河村
ベトナムのメンバーとのコミュニケーションはどのようにしてましたか?

■安慶名
ベトナムの方2名のうち1名は日本語が上手だったので、日本語ができないエンジニアと話す場合は、日本語が上手なエンジニアを経由してコミュニケートしていました。

あと、私自身も現地に2週間ほど滞在していました。また、今年の10月から4ヶ月ほど現地に滞在することになり、とても楽しみにしています。

■河村
ベトナムって食べ物はおいしいですか?

■安慶名
やっぱりフォーですね〜(笑)

■河村
魚の蒸したのも美味しいらしいですよ。

■安慶名
もう食べました(笑)

Amazon S3化の評価はいかに?

■河村
話は戻りますが、S3化はまだ途中とのこと。現時点で評価できる状況にはなっていますか?

■前田
画像をアップロードした際のサムネール作成のスピードがすごく速くなりましたね。その結果、いまは「サムネール作成中」の表示がほとんど出なくなりました。それはS3化でAWS Lambdaを使っていることが功を奏したと思っています。

そして今回、負荷分散できるようになったところがS3化の醍醐味でもあります。いままではサムネール作成のスピードを上げても、その結果、保存先にファイル書き込みが集中し、ストレージの負荷が上がり、管理画面などの処理が遅くなるということがあったのですが、今回のS3化でなくなりました。

■与儀
Storage Gatewayは一点を通って処理が読み書きされていたのですが、S3はそれぞれのファイルごとにサーバがあるイメージで、分散して読み書きできるので負荷が集中しないんです。全然違う世界になりますね。

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今後レキサスに期待すること

■河村
今後バリューブリッジさまとしてどんなことをレキサスに期待していますか?

■岡本
私たちの提供する「フォトブリッジ」は、ご新婦様が、自分の結婚式の思い出となる大切なアルバムに、「この写真の自分の顔は好きじゃなかった」「こんな写真使ってほしくなかった」といった後悔を残させない、いつの日かアルバムを再び見るときには結婚式の良い思い出だけを思い出してほしい、そのためのツールとなるITサービスです。カップルはもちろんカメラマン、プランナー、デザイナーとそこにかかわる皆さんにメリットのある仕組みであると自負しています。

私たちは、この価値を提供する代わりに、アルバムを買ってもらったり、画像加工で、収益を上げて、ビジネスを成立させています。世の中には、アルバムだけを売る会社はたくさんあるし、システムを開発できる会社もたくさんあるでしょうが、私たちは、ITとモノづくり、その両方を、両輪のように機能させて同時に提供することで、サービスに競争力を生み出しています。

このIT部分を担っていただいている御社は、当然、我々にとって大事なパートナーであるのはもちろん、それ以上に、この事業そのものの主体者だと思っています。外部から当社の業種を尋ねられた時、私はいつも「ITサービス業」と答えています。実際に社内にはエンジニアが一人もいませんが、レキサスさんがいる。レキサスさんのメンバーさんには、失礼があるかもしれませんが、あまり社外の方と思って接したことはないですね。

これからも主体的に一緒にこのフォトブリッジ事業を育てていってほしいと思っています。

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今、おかげさまでフォトブリッジに対する市場の評価は高いと感じています。ただ1組でも多くのカップルに利用していただき花嫁の「小さな不幸」を減らしていくためには、我々がいかにスピーディに、クライアントやカップルのお声に応えていけるのか、対応するその速度が重要だと感じています。もっともっと速度を上げればもっともっと広められるのに、あちこちで足踏みしているのが歯がゆいという感があります。システム面だけでなく私自身の動きも含めてのことですが・・。

「システムにはバグがある」のは当然というのはシステム屋さんの方便。ブライダル業界というところは、一生に一度の結婚式を扱うからかミスを許さない業界でもあります。バグやエラーはあってはならない。エラーの起き得るサービスを、式場はまず採用しない。

もっともっとブライダル市場でシェアを伸ばしていくためには、スピードと品質の安定が必須です。ことにサーバの改善は、これらに大きく影響するわけで、今回のS3化はひとつの答えであったわけです。ただしサーバだけじゃなくて多方面にまだまだ改善点は残ってますけどね。(笑) これからもシステム面でのスピードアップと安定化に、お力を貸していただければ幸いです。

ワンチームとしてのバリューブリッジ社とレキサス

■河村
どうですか、この岡本さんの熱い言葉を受けて、この想いに応える言葉をもらえますか?

■前田
フォトブリッジチームは、会社の中のひとつのチームではなく、独立したひとつのベンチャー企業だと思ってやってほしい、と社長にも言われています。早くやればやるほど波に乗ることができるので、サービスをより広げるためにどういった努力をすべきかを関係者全員で一緒に考えてやっていく必要があります。

そのためのひとつの案として、私が東京に行って一緒にやれれば同じ温度感覚でできてモチベーションにも繋がるだろうとも考えています。今後もぜひ一緒にやらせて頂きたいので、引き続きよろしくお願いします。

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■岡本
そうなると嬉しいですね。大歓迎です。

次の成長戦略として、私たちは2つのことを考えています。1つは、いつかアジアやアメリカなどへグローバル展開したいということ。そのときに世界規模で展開するAWSだと都合がいい。今回のS3化はその道筋になると思っています。

もう1つ、これは御社の比屋根社長が提唱されていることですが、「ライフログ」という形で、結婚式をきっかけに始まる新しい「家族」を、フォトブリッジの出会いからスタートして、そこからの人生ずっとを、写真という切り口で、サポートしていく仕組みに高めていきたいというものです。お客様とつながり続けるためには、サーバ維持のコストとパフォーマンスが、我々とお客様の双方にとって、重要な要素となります。

我々のフォトブリッジ事業の現在と、将来の2つの展開いずれにも、AWSのS3化は大きな役割を果たしてくれそうですね。期待しています。

■河村
岡本さん、ありがとうございました。いろいろな、そしてたくさんの期待を頂いていることがとてもよく分かるお話でした。

ワンチームとしてのレキサスとバリューブリッジだと思いますので、これからもこのメンバーで一丸となって、場合によっては前田が東京に行き、また、安慶名がベトナムに移り住んでフォトブリッジサービスをベトナムで広げると(笑) 次のフォトブリッジ展開はベトナムですね。サービスのベトナム語化のところもぜひ。

■安田
それでは最後は、ベトナム語で!
モッ・ハイ・バー・ヨー(1・2・3・カンパーイ)!!!(笑)

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