米国Evernoteエンジニア 寺崎様講演会 at IT津梁パーク レポート
先日IT津梁パークへシリコンバレーで活躍されている寺崎様にお越し頂き、レキサスアカデミー受講生を対象とした講演を行っていただきました。
寺崎様は米国Evernoteでエンジニアとして第一線で活躍するエンジニアです。また、お仕事の傍ら、週末は歩くiPhone等の少し変わったガジェットを発明し発表されています。
どうしてエンジニアが氏の生活に憧れずにいられましょうか!
今回の講演では「あなたの隣のシリコンバレー」と題し、渡米までの経緯や現地で氏が肌で感じた米国のエンジニア像、また注目を集めるプロダクトを作るコツ等を語っていただきました。
さて、米国のエンジニア職とはどんなものなのでしょうか、そしてプロダクトが関心を集めるコツとは。興奮に包まれた週末のレポートと共にどうぞ。
幕開けは氏の乙な策略から始まりました。
粛々としたムードが一転し、エンジン点火、熱の入ったトークが始まりました。
今回お話頂いたのはご覧のような内容。
Session 1 シリコンバレーの話
沖縄と対比しながらシリコンバレーの地理的規模感を受講生に伝える寺崎様。
氏は沖縄出身ではありません、何という心遣い!
という流れで話は寺崎様が渡米以来感じてきたシリコンバレーの土地柄へと続きます。
・シリコンバレーの門戸
– 独学でプログラミングを学んでソフトウェアの開発を行っている人であれば、活躍できる可能性あり。
– 英語を母語としない人間が感覚で60%。Broken Englishで構わない。
・在シリコンバレーエンジニアの休日の暮らし方
– プログラミング以外のことをして楽しむ。 『何で趣味でソフトウェア作らないといけないの?』
– 一方仕事で作るプログラムはハイクオィリティ。
・シリコンバレーのインフラ事情
– 光ファイバーが各家庭に巡らされていない。ITインフラでは遅れた地域。
Session 2 趣味の話
そして寺崎様が趣味で開発するロボットの話。
上掲写真で紹介されているのは、精緻なロボット同士で格闘を行わせるROBO-ONEにて黒船としてお披露目された超強力ロボ Weird 7。日本国内で商標的にアウトな通称があるそうです(クチバシのついたチョコレート菓子の名前)。
少し写真が不明瞭なので、寺崎様のサイト上でのご紹介を。
http://www.kaduhi.com/weird-7/flyer.html
– 期待させといて落胆させる
という戦略の上で製作されたとのこと。
なんとこのロボ、前転(でんぐりがえし)ができます。
– 落胆させといてびっくりさせる
ここまでが戦略だったとのことでした。ただ者ではありません。
そしてiPhoneの2足歩行を成功させたガジェットの話。
プロモーション上での苦労話をお聞かせ頂きました。
当初、YouTUBE、ニコニコ動画にて再生数ミリオンヒットを目指し、いくつか動画を投稿してみたそうですが、いずれも30万前後の再生数止まりだったそうです。ちなみに、動画編集はこの時が初めての経験だったそうです。
その後、100万回再生に達する法則を見つけ出し、女性をターゲットとした動画を作成したものの、メディアとの連携が上手くいかず、これも100万再生には届かなかったとの事でした。
100万回再生に達する法則とは、「”engadget”や”gizmode”といったコアな層向けのサイトで紹介されただけでは100万再生は難しい、100万再生を狙うためには、Yahoo!ニュースの様な一般向けサイトで紹介される必要がある」との事でした。
Session 3 自分の話
寺崎様曰く、何かを作るときはとにかくコンセプトを明確にしろとのこと。
超強力ロボWeird 7は他のロボットが高価な中で、廉価だがしかし完成度の高いロボットを仕立て(そして注目を浴び)るというコンセプトで製作されたそうです。
寺崎様が趣味活動の中で一貫されているコンセプトは上記とのこと。
上掲コンセプトの中でも特に興味深かったのが「競争」と「笑い」でした。
– 競争
市場では避けて通れないものですが、寺崎氏はそうは考えていないそうです。
「競合が現れたら手を引く。」
その心は、同じコンセプトのものが複数表れたら目立たなくなるからとのことでした。
– 笑い
注目を集めるために必要とされる要素の様に思えますが、それだけではないそうです。
笑いが欠かせないのは、競合となり得る開発者に氏の開発を笑って見過ごしてもらうため。
そうすることで、世間が氏の発明に関心を寄せる期間が延長されるとか。
寺崎様が残した名言は他にもあり、当日聴講された方々がいくつもtwitter上に残して頂いてます。ありがとうございます!
1月8日中のハッシュタグ#lexuesacademyをご覧頂ければと存じます。
http://togetter.com/li/238204
レキサスアカデミーの講師を務める安川様にトゥギャって頂きました。
その後寺崎様にはレキサスアカデミー午後の部でも学生のプレゼンに対し熱の入ったフィードバックを頂いております。熱い熱い週末でした。
寺崎様はご紹介した通り、これまでに何度も世間から脚光を浴びた方ではありますが、今回の講演では、今なお挑戦を続けていることがひしひしと伝わってきました。
講演は2時間に及びましたが、終始密度の高い内容で、とてもクリエイティブなエネルギーを頂きました。今回受けた刺激を糧に、我々も趣味活動そしてお仕事を更に充実させていきたいと思った次第です。